ようこそ。アメリカ移住者Yascoのブログへ! 兵庫県出身の関西人。1999年大卒で超就職氷河期世代。日本での人生に見切りをつけ、2003年9月に企業インターンとして単身渡米。2003年−2004年はフロリダ、2004年からミシガンに在住。その後、数々の就労ビザを繋いで、2012年にグリーンカード取得。2017年7月に米国市民権取得により日本国籍喪失。よって、現在は米国籍のみを持つ、日系米国人1世と相成りました。波乱万丈な元日本人の人生を日本人の皆様に少しでもご紹介できればと思います。よろしくお願いいたします。

2020年7月12日日曜日

【アメリカ 大統領選】トランプの移民政策にまつわるアメリカの切実な実情〜実生活レポート

数週間前からうなぎ上りのコロナウイルス件数が、さらに加速していて、数日前からは死者数もまた上がり調子になってきたアメリカですが、私の住むミシガンは今のところ、第2波はまだ始まっていないようで、短い夏が始まったばかりということもあり、徐々に人々が外出し始めています。

さて、先日、トランプ大統領が全授業をオンラインに切り替えた大学に通う外国人留学生は、9月から通学制を再開する大学へ編入しなければ、それら学生のFビザ(学生ビザ)を取り消すことにした、という発表があり、全米に住んで学校へ通う留学生に動揺を与えたというニュースが流れました。
私はアメリカで通学したことがないので、実経験からは語れませんが、周りに、留学目的で渡米し、そのまま現地に永住しているという人は数多くいるため、その辺りの実情はその人たち(日本人や他国籍人)からよく耳にしてきました。
現実問題、日本人に限らず、Fビザをとって、名目上留学目的でアメリカへやってくる外国人はかなり多いです。理由は、Fビザが就労ビザに比べて随分と取得しやすいからです。もちろん、純粋に学問を極める目的で全米トップクラスの大学に通う外国人も多いでしょう。しかし、私の見聞する限りでは、とりあえず、一番取得しやすいビザでアメリカに住むことが真の目的だという学生が多いわけです。そういう人たちは、アメリカに住むことが目的であって、学校に通うことはその”おまけ”なので、授業がオンラインになってもあまり問題にはならないでしょうが、肝心のFビザが失効してしまっては本望の”アメリカに住む”ことができなくなってしまうので、パニクってしまうのも無理はないでしょう。

私はJ1という就労ビザで渡米して、その後、H1bという就労ビザへつなげて、数年かけて雇用ベースのグリーンカードまで苦労してなんとか綱渡りしてきたパターンの移民であることもあり、アメリカでビザ保持者として住む人々の気持ちはよく分かっているつもりなので、トランプの今回の決断は些か酷ではあるなと思います。しかし、今のアメリカには切実な実情があります。それも今までのアメリカ史上最大の危機と言って過言ない状態です。

その例として、私の主人の話をします。主人は地元ミシガン出身で、ミシガン大学の工学部(メカニカルエンジニア)を出て、これまでビッグ3(GM、クライスラー、フォード)を渡り歩いて、今はオーストリア系の自動車サプライヤーで働いているサラリーマンですが、今般のパンデミックが始まってから、会社の景気が一気に悪くなり、まず4月に全社員10%の減給が言い渡され、現在進行中の仕事がない社員は、今年の有給休暇を自宅待機期間中に使い切ることが強制ルールとなりました。もし、残りの有給休暇がなくなってしまったら、その社員は一時解雇となり、給与の支払いはストップし、福利厚生(健康保険)への参加資格だけが与えられる状態となります。もしこうなると、各州から雇用保険が支払われるわけですが、この支払額は一般企業でエンジニアとして働く者にとっては猫の額くらいの金額にしかなりません。その後、6月にはさらに10%(計20%)の減給になりました。うちの主人の場合は、とりあえず有給休暇を使い切ってしまい、その後、上司と相談したところ、”工場で深夜シフトの仕事ならある”と言われたため、渋々その深夜シフトの勤務を続けているところです。ところが、その他の同僚といろいろ話をしたところ、なんとも不公平な実情が分かってきました。
この会社には、H1bやL1という就労ビザで働く外国人社員がかなり(恐らく半数以上)いるのですが、今般の一時解雇にはその人の大半は当てはまっていないようなのです。よって、一時解雇された社員のほとんどは米国人だということが判明しました。主人の上司曰く、就労ビザ保持者は基本的に雇用手当が受け取れない(受け取ると今後のビザやグリーンカード申請に影響する可能性がある)上、解雇されると速攻で国外退去となるため、彼らのビザスポンサーである雇用者としては避けたいところ、というのが理由だそうです。 ところが、私(と主人)の考えは、上記の理由はあくまで建前で、真の理由は、より金がかかり文句を言うアメリカ人は排除して、文句言わず低賃金で働いてくれる就労ビザ保持者をキープした方が会社にとって儲けになるから、だと思っています。もちろんこのような真の理由を会社が社員へバラすわけがありません。
実際、私が以前働いていた米系自動車サプライヤーの社内にもかなりのH1b保持者がいました。そのほとんどがインド人と中国人でしたが、現在これは全米での常識となっています。
現実的に、全米でH1bやその他の就労ビザで働く外国人の大半は、元々学生としてFビザで渡米した人たちです。今般のFビザ無効化の決定はこう言ったアメリカでゆくゆくは就職して永住することを夢見る学生の前途を断つことになるので、文句や訴訟問題になるのも無理はありません。しかし、こう言った外国人は、今のようなアメリカ史上最悪の危機的状況になると、国は国民を優先するしか他ないという常識をよく理解して覚悟しておくことが必須となります。これは日本とて同じでしょう。

私もかつてH1b保持者だったので、H1bでアメリカで働くということの苦労はよくわかります。実際問題、雇用者にビザをスポンサーしてもらっている以上、給与や就業条件に文句を言えるわけがないので、文句があってもグリーンカードを手にするまでは黙って低賃金で働き続けるしか他ないのです。これには数年に渡る忍耐力が必要となりますが、今般のパンデミック危機が始まってから、忍耐力云々の問題ではなくなってしまった、というのが実情でしょう。

一方で、アメリカで生まれ育ったアメリカ人で、しかもそれなりの大学を卒業してそれなりのキャリアを積んできた現地人でさえ、職を失うか、高校生でもできそうな酷な仕事をするしか生活の術がないのが今のパンデミック中のアメリカの実情である以上、就労ビザで働く外国人を優遇するような企業は非常識としか言いようがないでしょう。

私はこの主人の会社のしていることにどうにも納得がいかなかったので、5月あたりに、ホワイトハウスのウェブサイトへ行って、トランプ宛にレターを送付しました。実際にトランプが私の投稿を読んだかどうかはわかりませんが、私でもそうしたということは、他に同じことをしたアメリカ人がどれほどいたか想像するに難くないです。

それがあって、どういうわけか、6月にトランプはまず新規のH1bとJ1、L1ビザの発行を年内停止すると発表し、7月には冒頭の学生ビザの無効化が決めました。トランプとしては、彼の得票ポイントである厳しい移民政策と株式市場の上げ止まりをなんとか再選チャンスへ活かしたいところでしょう。

これからアメリカへ移住を希望する外国人にとってはこれからしばらくは不遇の時期が続きそうですが、パンデミックが治れば元に戻ると私は予想しています。残念ながら、アメリカでビザ保持して、将来グリーンカードを手にすることを夢見て生活するということは、タイミングが鍵となります。その時の大統領がどういう移民政策を推進しているかやアメリカの国内景気次第ということです。
私が移住した時はブッシュが大統領で、H1bからグリーンカード取得まではオバマが大統領だった(市民権取得はトランプが大統領になってから)ので、運が良かったと言えばそうでしょう。
しかし、概して言えば、アメリカの移民政策は911を境に厳しくなる一方です。これは今後誰が大統領になろうとも変わることはないと予想されます。

ここしばらくの全ては今後のパンデミックの終息がいつになるかにかかっていると言って間違い無いでしょう。

ミシガンは今は終息していますが、秋にかけてまた第2波がやってくることは疑いがないと予想され、それによって雇用状況もどうなるか心配な状況が続きそうです。

また、追って近況報告をお伝えします。
今回もご覧いただきありがとうございました。






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