ようこそ。アメリカ移住者Yascoのブログへ! 兵庫県出身の関西人。1999年大卒で超就職氷河期世代。日本での人生に見切りをつけ、2003年9月に企業インターンとして単身渡米。2003年−2004年はフロリダ、2004年からミシガンに在住。その後、数々の就労ビザを繋いで、2012年にグリーンカード取得。2017年7月に米国市民権取得により日本国籍喪失。よって、現在は米国籍のみを持つ、日系米国人1世と相成りました。波乱万丈な元日本人の人生を日本人の皆様に少しでもご紹介できればと思います。よろしくお願いいたします。

2019年10月24日木曜日

私がアメリカ人になった理由〜米国市民権取得の決断 私のアメリカ 移住 方法の解説

前回までに、私がどのような就労ビザを取得して渡米してこれまでアメリカで働いてきたか、また、どうやって雇用ベースのグリーンカードまでたどり着くことができたかの苦労話をご紹介しました。

今回は、その後、なぜ、私が米国市民権(アメリカ国籍)を取得する事にしたのかをお話ししたいと思います。と言うのも、私の知る限りで言うと、在米日本人のほとんどはグリーンカードを取ったらそれで目的達成となり、米国市民権には興味がありません。永遠にグリーンカードを維持するつもりの人がほとんだと思います。その一番の理由は、みなさんご存知のように、日本国憲法で二重国籍が禁止されているため、”日本国籍を喪失したくない”、と言うことだと思います。私も、米国市民権を申請する前にその事で少し悩みました。また、次に多い理由は、”いずれ老後は医療費の安い日本で暮らしたい”、だと思います。これも良くわかります。アメリカの医療費は高騰する一方ですから。

私も実は、グリーンカードをずっと保持するつもりでした。色々と老後のことをしっかり考える前までは。日本国籍を捨てる心の準備ができていなかったのが、正直なところ。
そこで、まず、実際に、自分は日本とアメリカのどっちで老後を過ごしたいか自問自答しました。私の答えはアメリカでした。そもそも、私は渡米する際、アメリカで骨を埋める覚悟でやってきました。ですので、この答えは最初から出ていたと言ってもいいでしょう。とは言っても、老後は1年のうちの数ヶ月くらいは日本で過ごすつもりです(体力と健康の限り)。家族や友人がまだ沢山いますからね。でも、あくまで拠点はアメリカだな、と言う結論に至りました。
そこで、思い返すと、私は日本で戦後の第2次ベビーブーマーとして生まれ育ち、凄まじい受験戦争に揉まれ、大学卒業の頃には折しもの超就職氷河期に合い、日本政府から見捨てられた世代としてかなりの苦労を強いられた部類の一人です。そんな日本社会(政府)にはもう期待しないことを決心して身一つでやってきて、アメリカで運にも恵まれ、それなりに良い人生を送るチャンスを与えてくれたのは紛れもなくアメリカ政府(就労ビザやグリーンカードを許可してくれたわけですから)だと気付いたんですね。だったら、自国民に一切チャンスを与えてくれなかった日本より、数々の人生再起のチャンスを与えてくれたアメリカに恩恵を返すべく(税金を払いながら)残るべきではないかと思ったのが一番の理由でした。つまるところ、子供の頃から受験戦争などで努力・葛藤したにも関わらず、就職氷河期世代になってしまったが最後、日本社会の恩恵は何も受けられなかったし、これからも受けることはないだろうと確信してしまったのです。年金だって、日本ではもう我々の世代が老人になる頃は受給額があるかどうかすらわかりません。それに対して、アメリカの人口は今だに増加傾向なので、今後も年金がゼロになることはあり得ません(私の場合、受給額も日本の数倍になるし)。だったら、今まで日本政府に苦渋を吸わされた分、アメリカ人という外国人としてこれからは日本へ行って”おもてなし”をしてもらおうじゃないの、という結論に至ったのです。

もちろん、税金を払う以上アメリカの大統領選挙で投票したいというのも理由の一つです。あと、後付け理由ですが、アメリカで今後も人生送っていくには、やはりアメリカ国籍を取得してアメリカ人になった方が様々な面で有利になるためです(特に訴訟問題に巻き込まれた場合など)。”グリーンカード保持者はほぼアメリカ人と同等レベルと見なされる”と思っている在米日本人永住者が多いですが、これは転職の際の条件に限っての話です。当のアメリカ人に言わせると、グリーンカード保持者はあくまで外国人なので、はっきり言って、2等級市民(部外者)扱いです。そうです、アメリカという国(政府)は基本的にいつの時代でも自国民を優先し、外国人ははっきり言って国にとってどうでも良い存在です。”アメリカが嫌ならとっとと国へ帰れ”、と外国人に向かって堂々と言うアメリカ人は多いです(ご尤も)。その証拠に、ただの永住権保持者とアメリカ国籍者とでは、連邦政府から受け取れる社会保障や金額にも大きな違いがあります。当然ながら、アメリカの保証制度はアメリカ国民のみのためにあるため、年金や障害者保険、雇用保険などの中には、永住権保持者でも受け取れないものがいくつかあります。そのため、私の出席したアメリカ市民権の宣誓式では、職員の人が、この式が終わったら速攻でソーシャルセキュリティ・オフィス(社会保障事務所のような所)へ行って、アメリカ国籍を取得したことによるステータス変更手続きをするように言われました。アメリカ国民にしか享受できない社会保障が沢山あるからだと言っていましたね。

また、これは最近に限っての話ですが、にわかにトランプを追い出すことに躍起になっている民主党に言わせると、在米外国人は将来自分たちの味方になってくれる存在と期待していますが、その外国人が将来アメリカ人になったら民主党に投票するとは限りません。恐らく、その反対になるでしょう(あくまで私見)。しかし、思い返すと、クリントンやオバマですら不法移民の追い出しに躍起になっていたし、9.11以降はどちらの政権下でも合法移民制度は厳格化する一方です。だから、過去、どちらの政党が大統領になってもアメリカと言う国はアメリカ国民を優先する(自国民保護主義)スタンスは変えていないわけです。この点からしても、外国人を自国民より優先する日本政府とは全く逆ですね(就職氷河期世代より外国人労働者を優先しているわけですから)。でも、国としてアメリカのやっていることが正しいと私は思います。自国民を尊重しない国はいずれ滅びるでしょう。

また、これはさらなる追加理由になりますが、アメリカの移民法は大統領が変わる度にコロコロ変更されます。今のところ、グリーンカードを最低5年保持で市民権の申請資格が得られると言うのは基本ルールになっていますが(例外で3年保持)、これがいつの日か5年ないし10年かそれ以上にならないとは限りませんし、審査要件も一層厳格化してほとんどの永住者が実質帰化できなくなる、なんてことが全くあり得ないとは誰も断言できないでしょう。また、あらゆる就労ビザやグリーンカード発行数も既に実際に減少しています。そこで、”取得できるうちに取得できる権利を取っておく”というのはあながち間違った考え方ではなかろう、と思ったわけです。

ちなみにですが、在米日本人永住者が多く考えている、”老後は日本とアメリカで半々の生活をする”と言う計画ですが、この計画をグリーンカードのままですると、だいたい2年目くらいで、次に米国へ入国する際にグリーンカードを米国政府に没収されてしまいます。永住権の規定で、グリーンカード保持者は基本的に米国に継続的に居住して社会貢献する(納税など)ことが要件になっているため、毎年50%以上の期間をアメリカ国外で過ごしていると(出張・駐在も含め)その要件を満たしていないと見なされるからです。これは市民権申請の際も問題になります(申請却下される可能性も)。もちろん、この規定の免責許可を取ることもできますが、せいぜいそれができるのは人生で1〜2回くらいらしいです。と言う以上の事実を、私なりの調査で発見しました。これもあって、市民権を取ることにしました。アメリカ人である限り、どれだけ国外滞在していてもアメリカ入国を断られることはあり得ません。それに、日本は血族主義なので、元日本人は簡単に長期滞在許可(3−5年)が取得でき、これで自由に日本で働ける上、日本に1年以上居住していると永住権も取得できます。まさにWin-Winだと言うわけです。(これをWin-Winと思うかどうかは個人差ありますが)

さらに余談ですが、以上のことを知った上で、日本国籍を捨てる覚悟ができないまま成人になってから自分の意思で米国市民権を取得する在米日本人は実は多いです(インターネットなどで見かけますし、口コミでも聞きます)。つまり、勝手に自分を”自称”二重国籍者にしてしまっている人たちです。こう言う人は、甘い日本の入国審査を利用して、日本へ入国する際は日本のパスポートを見せ、アメリカへ入国する際はアメリカのパスポートを見せているようです。まさに、日本とアメリカのいいとこ取りをしようとしているわけです。しかし、これははっきり言って犯罪ですよね。日本の入国管理法か何かの違反になるはずです。見つかれば2度と日本に入国できなくなってしまいます。

ちなみに私は、何事もあやふやにしておく事が嫌いなため、米国市民権を取得した直後に、”国籍喪失届”を在米領事館へ提出しました。これで、私の唯一の国籍はアメリカになってしまったのです。もちろん、自分の決断なので、後悔はありません。
次に日本へ行く時は、日本の入国審査で外国人の列に並ばなくてはならないのが、玉に瑕ですが・・・

今回は以上です。
ご覧いただき有難うございました。

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