明けましておめでとうございます。
この冬はミシガンは暖冬に見舞われております。雪が兎に角少ない!これは大助かりです。我が家は”ちょい田舎”な地域に住んでいる上、舗装された住宅街ではないので(舗装されていない土の道路)、雪かきが大変なんです。しかもドライブウェイという、家に横付けされたガレージまでの敷地内の小道が50メートルほどあり、その先にさらに100メートルほどの私道があるため、ここに積もった雪を自分たち(うちを入れて3軒)で除雪する必要があります。夜に大雪が積もると、朝出かける前にこの雪かきをしないと車がハマって出られなくなるので、この作業に1時間は少なくともかかるんですね。雪が少ないということは、この作業が省けるので、大変有り難いわけです。
さて、昨年の最後のブログでは、日本の若者を中心に海外移住を考えている日本人が増えている(?!)というお話をしましたが、今回は、その移住先の国は?!というお話をあくまで私見で語っていきたいと思います。
まず、私のおります、アメリカですが、皆さんもすでにご存知の通り、既にアメリカに住む外国生まれの移民で(私も含め)飽和状態になりつつあり、もはや既得権争いになっています。早い話が、”より昔にアメリカへ移住してきた人が勝ち”ということです。ここ十数年前からはそれを悪化させるかの如く、中南米からの不法移民が押し寄せているため、アメリカ政府の移民政策は年々厳しさを増しています。トランプは必ずしも移民反対ではないのですが(発言を聞く限り)、これからやってくる移民はアメリカ社会に十分貢献できる能力あるいは財力がある者に絞るべきだという考えなので(私もこれには同感)、特に家族と雇用ベースの移民ビザの審査基準がかなり上がっています。アメリカ人の多くは、こういう風潮に相まって、アメリカにいる外国人を色眼鏡で見ているのが現状です。そもそも、何が何でもトランプを倒したい民主党は、不法移民と合法移民を引っくるめて、今アメリカにいる移民にさっさと市民権を与えて、そのお返しに自分たちの政党に投票してもらう作戦を狙っているので、わざと不法移民と合法移民を一緒くたにして匿おうとしています。このため、物事の本質を見極めることのできないあるいは時事に疎いアメリカ人は合法移民と不法移民の区別がついていません(私はこういう部類の人とは付き合わない主義)。
悲しいかな、これがアメリカ社会の現状で、これからアメリカ移住を考えている人は、この点を覚悟しておいて損はないと思います。さらに相当な時間と金銭的かつ学業・職能的な準備が必要だし、たとえ準備万端であっても就労ビザやグリーンカードを自力で取るにはかなり運に頼ることになってくると思います。というのも、アメリカの移民法は政権交代のたびにコロコロ改正される上、国内景気・情勢によってビザ発行数が上下するためです。
私がアメリカへやってきた時も9.11以降だったので既に全カテゴリーの就労ビザは厳格化していましたが、私が取得したH1bビザのくじ引きはまだなかったので、今よりは取得可能性が高かったと思います。若い時に決心して準備して結果的に吉となったわけですが、それより運の良さがあったんだと思います。
そこで、多くの外国人が思いつくのが、”アメリカ人と結婚してグリーンカードを取るのが一番手っ取り早くて、簡単”ということだと思います。実際にグリーンカードありきで、アメリカ人と付き合うことを目指している日本人を多く見てきました(日本でもアメリカでも)。これは、はっきり言ってアメリカの移民法に反しているので、お勧めできませんし、たとえ、この下心を隠したままうまく結婚に至って、グリーンカードを取得できたとしても、その後にどんでん返し(泥沼離婚など)がやってくる可能性が高いので、なるべく避けた方が良いと思います。これはあくまで私見ですが、基本的に合理主義(損得感情が高い)のアメリカ人の多くは、外国人と結婚してその外国人配偶者が結婚ベースのグリーンカードを取得した場合、相手にグリーンカードを”あげる”という考え方です(口に出さなくともこう心の中で思っている場合が大半)。つまり、”自分のおかげで相手は世界中の皆が欲しがるアメリカグリーンカードを手に入れた”と思っているわけです。こうなると、どうしても外国人配偶者よりアメリカ人配偶者の方が立場が有利になってしまいます。この優位性は、実は離婚訴訟でも裁判官の判決に影響するそうです(離婚理由にもよりますが)。つまり、裁判所も結婚ベースのグリーンカードは外国人にとってアメリカ人配偶者からもらった資産として受け取られているということです。夫婦でアメリカに住んでいる場合はこの立場に陥るのがほとんどです(気付くか気づかないかは本人次第ですが)。よほど、既にアメリカに自力で移住して来て、仕事も成功していて収入も高く自立している外国人がさほど収入が高くない(もしくは職なしの)アメリカ人と結婚した場合は例外ですが(このケースは稀)、そもそも、グリーンカード目的でアメリカ人と結婚する外国人はこの部類には当てはまらない場合が多いんですね。要は、結婚してグリーンカードをスポンサーしてもらう場合、こういうリスクが伴うということを予め覚悟する必要があります。だから、このパターンで付き合い始めて結婚してグリーンカードを得た人は、足元見られてしまって、結局離婚して国へ帰ることになったという話を良く聞きます。まさに他力本願が仇になったというケースが結構多いんです。
ですので、アメリカ移住ありきで、”一番手っ取り早い結婚ベースグリーンカードが欲しい→そのために兎に角アメリカ人と結婚したい”という考えは捨てた方が良いです。どうしても”移住先はアメリカしか考えられない”という人は、何とか自力でアメリカ移住の道を切り開いてください。いきなりグリーンカードは無理でも、比較的取得しやすい学生ビザあるいは就労ビザ(特に駐在員ビザ)という手があります。そこからグリーンカードへ繋げる努力を何年かかっても地味に続けていればグリーンカードへ到達する可能性は上がります。
上記で、”移住先はアメリカしか考えられない”人という表現をしましたが、私も結果的にはこの部類に入っていたわけですが、当時その他の国を全く考えなかったわけではありません。事実、アメリカのビザ取得は既に厳しいという話は聞いていたので、カナダのビザ基準を結構真剣に調べました。オーストラリアも少し調べたはずです。ただ、カナダの就労ビザは当時既にポイント制(学歴・職歴・年齢でポイントが加算される)で統一化されていたので、就労ビザは1種類しかなかったかと思います(記憶が曖昧ですみません)。それに対して、アメリカの就労ビザは無数に種類があり、そのうちの(当時)一番取りやすいと言われていたJビザとどちらが取りやすいかと考えると、私の答えとしてはどっちもどっちかな、という結論が出たことを覚えています。だったら、日系の仕事がより多そうなアメリカにしようと思ったわけです。
つまり、カナダ移住も巷で言われているほど簡単ではないということです。やはり、自国で学歴、職歴、財力的な準備が相当必要だと思います。
ということで、”じゃ、北米はどちらも移住はハードルが高いので諦めろ”ということかと思われるかもしれませんが、そうではありません。確かに、いきなりグリーンカードを狙うのはほぼ無理と言えるかもしれませんが、留学で、もしくは駐在員でまずはアメリカへ入国してそこから地道に人脈や実力を養っていくと、かなりグリーンカード取得の可能性は上がってくると思います。
では、次の巻ではその他の国・地域への移住について、私なりの考えを語りたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
ようこそ。アメリカ移住者Yascoのブログへ! 兵庫県出身の関西人。1999年大卒で超就職氷河期世代。日本での人生に見切りをつけ、2003年9月に企業インターンとして単身渡米。2003年−2004年はフロリダ、2004年からミシガンに在住。その後、数々の就労ビザを繋いで、2012年にグリーンカード取得。2017年7月に米国市民権取得により日本国籍喪失。よって、現在は米国籍のみを持つ、日系米国人1世と相成りました。波乱万丈な元日本人の人生を日本人の皆様に少しでもご紹介できればと思います。よろしくお願いいたします。
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