ようこそ。アメリカ移住者Yascoのブログへ! 兵庫県出身の関西人。1999年大卒で超就職氷河期世代。日本での人生に見切りをつけ、2003年9月に企業インターンとして単身渡米。2003年−2004年はフロリダ、2004年からミシガンに在住。その後、数々の就労ビザを繋いで、2012年にグリーンカード取得。2017年7月に米国市民権取得により日本国籍喪失。よって、現在は米国籍のみを持つ、日系米国人1世と相成りました。波乱万丈な元日本人の人生を日本人の皆様に少しでもご紹介できればと思います。よろしくお願いいたします。

2019年10月16日水曜日

アメリカでの転職とH1bビザについて アメリカ 移住 方法の解説

今回は、アメリカで最初の転職とそれに必須となる就労ビザのスポーンサー探しについて、私の経験を元にお話ししたいと思います。



まず、アメリカで外国人が働くにはグリーンカードか何らかの就労ビザが必要になります。就労ビザで働く場合、スポンサー企業に正社員として雇われる必要があります。アルバイトとか派遣・契約社員では就労ビザが下りません。
日本人がアメリカに旅行で入国して、運よく現地在住の日本人と知り合いになって、その人の元でアルバイトしながらしばらくアメリカに住んでいたなんていう武勇伝を時々聞きますが、はっきり言ってこれは不法就労ですので、ご注意を。
また、アメリカ人と結婚して、就労ビザを経ずにいきなりグリーンカードを取得して就労権を獲得する日本人(特に女性)が多いですが、私はこのルートではないため、このケースは除外します。
その上で、私にとっては最初の難関となった就労ビザのスポンサー探しの経験談をご紹介します。



私は渡米の際に企業インターン目的でJ1ビザを取得し、インターンの仕事がなくなった時点で、有効期限が計18ヶ月中、まだ6ヶ月ほどしか経っていなかったため、あと1年ほど有効期間がありました。そこで、転職の際は、相手企業にまず”J1ビザを保持していてあと有効期限が1年あるので、それまではインターン扱いで働ける”ということを伝えました。また、それを前提に、失効する1年後までに次の就労ビザであるH1bビザ(専門職用ビザ)のスポンサーになってもらえるかどうか(つまり正社員に切り替えてもらう)もこの時点ではっきりと確認しました。せっかく転職できても、1年足らずで離職することになれば、私にとっても相手企業にとっても無駄足になってしまうためです。なぜH1bかというと、このビザカテゴリーしか私の場合は当てはまらなかったためです。その他の就労ビザといえば、日本人の多くが保持するEビザやL1ビザが有名ですが、私はすでに在米でしたし、管理職でも駐在員でもなく、しかも、職種と大学の専攻内容的に専門職になる上、J1ビザから切り替え可能な就労ビザはH1bしかなかったと記憶しています。

転職の際に、上記の話を相手企業に確認すると、9割くらいの企業からは”無理”と断られましたね。とりあえず、J1ビザで雇ってあげるけど、仕事能力次第でH1bビザのスポンサーをしてあげるかどうかは後で判断するという企業もいました。それでは私としてはリスクが大きかったので(後になれば何とでも言えるわけで)、はっきりH1bビザのスポンサーをしてくれると合意してもらえる企業をひたすら探しました。

結局、運よく、最後に1社と合意に至ったわけです。この企業にたどり着くまで、十数社にトライしたと思います。大変だなと思われる人もいるかもしれませんが、私は就職氷河期世代で、日本での就職でこの何倍もの苦渋を吸わされた経験があったので、結構”こんなもんかな(しかも慣れない異国の地だし)”くらいにしか思っていなかったですね。

面接の際に、面接官の方(のちの上司)に後日言われたのですが、私の合格の決定要因は、私が日本で大学を卒業し、日本にて数年間の(日本企業での)実務経験があった上、一人で渡米して自力で生活するバイタリティがある、ということだったようです。もちろん、日英のコミュニケーション能力も重要です(これは最低条件)。この方曰く、米国で採用活動していると、留学で渡米してそのまま米国で就職した(しようとしている)人はたくさんいるけど、日本で就職して少なくとも数年間、日本できっちり正社員として働いていた人が単身渡米して、転職するケースは珍しいらしいです。日本と米国の両国で実務経験があるというのは大きなメリットになるようです。ですので、将来米国で転職を希望されている方は、まずもって頑張ってできるだけ良い大学へ行って、日本で数年働いて専門実務経験を貯めることをお勧めします。専門実務でも技術系であれば、米国で割と簡単に職が見つかると思います。私は典型的な文系なので、こちらに来て、学生の頃にもっと理数系を頑張っていたらなぁ、と後悔しました。給与額も雲泥の差だからです。

ところで、このH1bビザですが、現在は年間の発行限度を毎年大幅に超える数の申請があるようで、まず審査の前にくじ引きになっているようですが、私の時は9.11の数年後だったということもあり、申請者で溢れかえる状態ではなかったので、くじ引きはありませんでした。最初は3年期限で1度だけ更新でき、あともう3年有効になります。よって、計6年間私はH1bビザを保持していました。

上記の面接に合格したミシガンの企業でJ1ビザで半年ほど働いた時点で、上司からそろそろH1bビザの申請準備を始めた方がいいのではないかと打診されました(良い上司でした)。この企業のルールで、米国政府に払うビザ申請料は会社が負担するけど、移民弁護士費用は自己負担でした。ですので、まず、自分で移民弁護士を探しました。私の場合、ここで意外と苦労しました。というのも、H1bビザは大学での専攻内容と現職の内容が一致していなければならないのですが、私の場合、大学で言語を専攻し、職種内容は国際物流・貿易だったからです。しかし、仕事の一環で専攻した言語を使ってコミュニケーションを取る必要があったので、全く一致していないわけではなかったのですが、弁護士にとって米国移民局を説得させられるだけのかなり高い弁明能力が求められたというわけです。
米国の弁護士は勝率や評判が命ですから、勝算が低い案件は受けたがらないのが通常です。
まず私はインターネットで、日本人向けのH1bビザ取得経験の豊富そうなNYの移民弁護士に電話しました。この弁護士はアメリカ人でしたが、日本人の案件を得意としている移民弁護士で、日本人のアシスタントがたくさんいたと思います。電話口に出た日本人のパラリーガルに現職の内容や大学での専攻を説明して、就労ビザの申請手配をしてもらえないか聞いたところ、”うちでは難しい”と言われました。つまり、自信がないということだったのです。ただ、この弁護士の知り合いの弁護士でかなり難しい案件も得意としている弁護士を知っているということで、その別の弁護士の連絡先を入手しました。この弁護士もNYにいました。この弁護士に連絡して事情を説明すると、私の場合はやはり”勝算は五分五分だ”と言われましたが、”できる手が全くないわけではない。弁護士費用は少し余分にかかるけど、50%の可能性を信じで挑戦してみたいのならお手伝いできる”とのことでした。もちろん、迷わず50%の可能性にかけてみることにしました。この時の弁護士費用は合計で$6000くらいだったと思います。トライせずに日本へ帰国することを考えれば、背に腹はかえられぬという思いでしたね。この弁護士は高齢の親日家のアメリカ人男性だったようですが、私は結局日本人のパラリーガルとやりとりするだけで一度も弁護士と話したことはありませんでした。しかし、噂通りかなりのやり手だったようで、敏腕を振るっていただいたおかげで、無事にH1bビザを取得することができました!

この経験で、非常に肝に命じたことは、米国でビザ申請する際は、様々な弁護士と面接して、一番優秀な弁護士を雇うのがカギということです。就労ビザの場合、多くの企業がすでにお抱え移民弁護士と契約していて、個人で弁護士を選べられないケースが多いと聞きますが、なるべく自腹を払ってでも優秀な弁護士を雇うことをお勧めします。企業付きの移民弁護士だと、個人個人のニーズにあった対応をしてもらえないことも多く、他従業員の案件も抱えていることから、あまり従業員個人に対して親切ではない場合もあります(弁護士にとってお客さんは企業であり従業員ではないため)。あと、この場合、ビザの申請状況を直接弁護士へ尋ねることができないため、会社の人事としか話せないというのも時々問題になります。会社にとっては人事担当者があまり就労ビザの知識がなく、なおざりな対応を受けるという経験は私にもあります。

結論として、アメリカの就労ビザを狙っている人は、まずは優秀な米国人移民弁護士探しに力を注ぐというのが、人生を左右するカギになります。在米日本人弁護士でもいいですが、米国人の方がはるかに有利になるでしょう。米国政府の心象が関わっているからです。これは恐らく、H1bだけでなく、どのカテゴリーの就労ビザにも言えることだと私は思います。

さて、次の回では、アメリカの職場の話とその後の日常生活の体験談をしたいと思います。
今回もご覧になっていただきありがとうございました。

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