最初の投稿で、私の自己紹介と共になぜ私がアメリカへ移住することにしたのかの経緯を説明しました。
2003年9月11日にマイアミに降り立った私は、住居探しをする間、前もって予約してあった長期滞在用のホテルに向かいました。インターン先の日本人上司がホテルまで連れて行ってくれ、ホテルに着いた数日後に東京で知り合ったアメリカ人の友人のツテで、とある一般家庭にホームステイ(下宿)させてもらえそうだという連絡が来ました。
東京でキリスト教会に通っていたのですが、その教会の支部がマイアミ近郊にもあり、そこの信者のご家庭だったのです。結局、ホテル滞在は1週間ほどで切り上げ、ホームステイ先へ引っ越しになりました。
ホームステイ先はマイアミのすぐ北のフォートローダーデール郊外の閑静な新興住宅街でなかなかの豪邸で、そこの一番小さい子供のプレイルームに寝泊まりすることになりました。お子さんは10歳と16歳の女の子で、まさにアメリカの思春期真っ只中という感じでしたね。いろんな意味で勉強になりました(笑)。
仕事始めですが、まずもって車通勤が普通の地域で車がない、という大問題に直面。中古車買うくらいの貯金はあったのですが、免許証などの問題ですぐには購入できないので、ホームステイ先のお母さんのマウンテンバイクを借りて通勤することになりました。車で10分弱くらいの距離でしたが、行きは緩やかな坂道で、そこは常夏の南フロリダ。片道30分くらいかけて汗だくになりながらひたすら自転車を漕ぐ毎日。途中でスコールが降ってきたり、トカゲが道にウヨウヨ出てきたり・・・なんてのにはすぐに慣れ、おかげで健康にはなりましたけど、大変でしたね。
仕事内容は、コーヒー豆をジャマイカから輸入しているジャマイカに本社を置く会社だったのですが、今回マイアミ近郊に初めて米国オフィスを立ち上げるということで、そこで一人で店番よろしくオフィス事務をすることになりました。上司は日本人男性でしたが、ほとんどジャマイカにいたので、オフィスではほぼ一人ぼっち。オフィス用品やら商品の発送などで近くのお店に行って購入したり、ビジネスアカウントを開設したり。正直、思っていた仕事内容ではなかったですが、なんせアメリカで勤務したことがなかったので、こんなものかな、くらいにしか感じていなかったですね。一応、有給のインターンだったので、月1000ドルほどもらっていましたが、ホームステイではなく、普通のアパートに住んでいたらこれでは生活できなかったと思います。本当にホームステイ先の方のおかげでしたね。
私生活ですが、まず何と言っても最初の登竜門は、ソーシャルセキュリティー番号を取得することです。ソーシャルセキュリティ番号は日本でいうマイナンバーです。これが命の次に大切になる超大事な個人情報です。アメリカで就労ビザを取得した人は皆ソーシャルセキュリティ番号を取得することができます。これを取らずに働くと、所得税が収められないため、不法就労になります。学生ビザのまま、学校や政府に内緒でアルバイトしている人はいっぱいいると思いますが、そういう人は収入はPayment under the Tableといってこっそりキャッシュで受け取ることになり、それが見つかって国外追放になることもありますので、ご注意を!このソーシャルセキュリティ番号は銀行口座開設や免許証取得にも必要になってきます。ですので、渡米後はなるべく早めに近くのソーシャルセキュリティオフィスへ出向いて申請することをお勧めします。申請は予約なしで朝から列に並んでできます。場所にもよりますが、私の場合は、申請書を記入して提出した後、数時間以内に面接に呼ばれ、オフィス内で面接官に仕事やビザの照会をしてもらって、その場で合格を言い渡され、数日後にソーシャルセキュリティカードが郵送されてきました。
ソーシャルセキュリティカードが手に入ると、直ぐに地元の免許書センターである、Secretary of Stateのオフィスへ出向いて、日本から持って行った国際免許証とソーシャルセキュリティカードなどを提出しました。これも私の場合ですが、日本で既に免許は取っていたので、アメリカで取る免許はあくまで書き換えになります。これもフロリダ州の当時の話ですが、テスト会場へは自前の車で乗り込む必要があるため、車を所有していない私はわざわざこのためにレンタカーしました。ほとんどのアメリカ人は家族や親戚の車を借りていくようですが。日本では考えられないですよね。テストに関しては前もって、筆記テストのテキストを入手して(ホームステイ先のお子さんがちょうど免許取る歳だったためテキストのコピーをもらいました)、予め勉強しておいたのを覚えてます。書類提出後その場でしばらく待っていると、筆記テストを受けるよう言われ、コンピューターで筆記テストを受けた後、合格が通知されると、そこでさらに数時間待った後、敷地内のコースで実技テストを受けました。実技テストは日本のそれに比べると楽勝でした。”え、こんな簡単なテストでいいの?!”というレベルです。日本で厳しい試験を受けて免許を取った人のほとんどは楽勝だと思います。テストには試験官が同乗して、最後に車内で合否が言い渡されます。私は日本でペーパーでしたが、問題なく一発合格でした。これで、晴れて即日フロリダ州の免許証を取得することができました。
次にやらなくてはならないことは、銀行口座開設です。前述の通り、これにもソーシャルセキュリティカードと移民ステータス書類が必須になります。あとは日本の口座残高証明も持って行ったほうがいいですね。私は銀行員ではないので、詳しいことはわかりませんが、自国にお金があり、それをいずれ米国銀行へ送金する予定だとか言えばより簡単に審査に受かると思います。私は当時Bank Of Americaに銀行口座を設けました。なるべく全米に拠点がある銀行の方がいいと思います。とりあえず、普通のChecking口座を開いたら、もう一つ重要なのが、アメリカ発行のクレジットカードを入手することです。日本発行のクレジットカードでも使えることが多いですが、オンラインショップやガソリンスタンドなどでは、米国発行のカード以外は使えないことがあります。ただ、ここで、渡米直後の外国人が突き当たる壁はクレジットヒストリーが皆無ということです。要は、個人の信用度です。クレジットヒストリーは、米国内でクレジットカードを使ってきっちり毎月満額を支払うか、大きな買い物でローンを組んできっちり支払い続けるなどの行為で点数が加算されていきます。しかし、アメリカに住んで数日の人はまず持って、ローンが組めないので、クレジットヒストリーを貯めるチャンスは限りなく少ないわけです。ここで、唯一と言って良い方法が、銀行口座を開設した後、その口座にリンクさせたSecured Credit Cardを取得することです。あとは車のリースをしてきっちり支払い続けるという方法もありますが、ヒストリーが無い場合リース率がかなり高くなりぼったくられますので、あまりお勧めできません。Secured Credit Cardというのは、予め利用限度額が決められていて、その金額までしか毎月クレジットカードが利用できなくなっており、毎月請求金額を支払い続けると、クレジットヒストリーが溜まっていきます。私は、これを利用して、数百ドル限度付きのSecured Credit Cardを2年ほど利用し続けました。
以上が、私が渡米後1ヶ月以内に行った諸手続きです。私の場合、なんせ単身だった上、職場の上司もほとんど不在で頼れない(ソーシャルセキュリティ番号申請のみは仕事関連だったので上司に付き添いしてもらったものの)、唯一頼れる相手といえば、ホームステイ先のご両親のみだけど、やはり既に住み込みさせてもらえているだけで結構なご好意なのであまり彼らに頼んでばかりはできない、と色々大変でしたが、持ち前の根性と独立精神でなんとか切り抜けることができました。
さて、次の巻では、渡米2ヶ月後に行った、中古車購入などについてお話ししていきます。今回も読んでいただいて、有難うございました。次回もよろしくお願いいたします。
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